peipeipe’s blog

読んだ本と軽いメモ

今月読んだ本

今月(2017-09)読んだ本は21冊でした。

Kindleセールになっていた村上春樹の新訳のロング・グッドバイを読んでからマーロウものを一気読みしたのですっかりハードボイルド。

さよならを言った。タクシーが去っていくのを私は見まもっていた。階段を上がって家に戻り、ベッドルームに行ってシーツをそっくりはがし、セットしなおした。枕のひとつに長い黒髪が一本残っていた。みぞおちに鉛のかたまりのようなものがあった。

フランス人はこのような場にふさわしいひとことを持っている。フランス人というのはいかなるときも場にふさわしいひとことを持っており、どれもがうまくつぼにはまる。

さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。


「もちろんだ。何もかもただの演技だ。ほかには何もない。ここは──」、彼はライターで胸をとんとんと叩いた。「もうからっぽだ。かつては何かがあったんだよ、ここに。ずっと昔、ここには何かがちゃんとあったのさ、マーロウ。わかったよ、もう消えるとしよう」  彼は席を立った。私も立ち上がった。彼はほっそりとした手を差し出し、私はその手を握った。 「ご機嫌よう、セニョール・マイオラノス。お会いできてよかった。短いあいだとはいえ」 「さよなら」


彼女は身持ちの悪い女にも見えなかったし、悪党にも見えなかった。それが意味するのは、身持ちの良くない悪女に見えるよりは見えない方が、より有利に立ちまわれるというだけのことに過ぎないのだが。 

「これほど厳しい心を持った人が、どうしてこれほど優しくなれるのかしら?」、彼女は感心したように尋ねた。
「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」 

↑の台詞は有名な

「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」

「If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.」

村上春樹訳。決めゼリフが苦手で、こうしたと、あとがきに。


あと第157回芥川賞受賞の影裏 も。

Amazonレビュー通りの反応をした。